貯金って安全?
米国株彦です。
私はお金の話が大好きです。
金儲けの話という意味ではなく、お金の仕組みとか、そういった類の話です。
ところで私は「日本人は~」みたいなレッテル貼りとかステレオタイプで話をするのはあまり好きではないのですが、あえて言わせていただきます。
「日本人は本当にお金に対するリテラシーが低すぎる!」
本当に声を大にして言いたい。
シコシコと少ない収入で一生懸命貯金をするのはまあまだ良いでしょう。お金の使い方を知らないんだね、って感じです。
それよりも貯蓄型の保険に入っている日本人の多いこと。これが一番びっくりです。
まあこれについてはいつか機会があれば触れていきたいと思います。
さて本題。
貯金って安全?
多くの人は貯金が一番安全と思っていることでしょう。
これは根本的な考え方に間違いがあります。
それは無意識に日本円を絶対的なものとして考えていることです。
日本円に限らずお金というのは相対的なものです。絶対ということはありません。
日本円を絶対と思っている人はピンとこないと思います。なんたって無意識なのですから。
「1万円は100年後も1万円でしょ。」
「日本円に価値がなくなるとか、極論でしょ。」
といつも反論されます。
1万円は100年後も1万円。そうですね。数字の上では。
ただ、1万円の意味は果たして100年後も同じでしょうか?
今は1万円あれば回らないお寿司や焼き肉がおなかいっぱい食べられるかもしれません。
100年後も同じ世界が待っていると思いますか?
もしかすると、1万円ではリンゴ一つしか買えないかもしれません。
1950年の5000円の価値
極端な例とお思いでしょうか?
1950年は大卒公務員の初任給は4223円だったそうです。
この大卒公務員が最初の年に頑張って年収の約1割、5000円ほど貯金しました。
20年後・・
大卒公務員の初任給はなんと31,500円にまで上がっています。
1年も苦労して貯めた5000円、20年後の暮らしの足しになっていると思いますか?
同じ5000円でも買えるものが全然違います。
ラーメン一杯20円だったのが110円になりました。
さて、この人は結局その後も貯金に手を付けることなく頑張って定年まで働きました。
定年する頃には初任給は10万円以上になっています。本人の給料は30万円くらいになっていたかもしれませんね。
この時点で30年以上手を付けなかった、初年度の5000円。
定年するときに、どれほど意味を持っていたでしょうか。
あのとき一年間苦労して貯めた5000円。子供の一か月分の小遣いといったところでしょうか。
貯金=デフレへの全力投資
上記の例は日本の高度成長期。成熟しきった今とは状況が違います。
これらが現代の日本人の感覚を完全にマヒさせ、そういった状況が想像に難くなってしまいました。
「ちょっと待てば安く手に入る」
こういう経験の方が圧倒的に多くなってしまったのです。
デフレ下においては、貯金は安全資産です。
そういう意味で、貯金は安全という考え方はここ30年、結果として間違いではありませんでした。
ただ、私が全力で主張したいのは、
貯金(オンリー)は全力でデフレに賭けているってことだよ
ということです。
このデフレ傾向があと30年続くのであれば、それも良いかもしれませんね。
ただし、デフレは国の衰退を意味ます。
日本政府も黙っては見ていません。
日銀がお金を刷りまくって、政府の言うインフレ率2%を目指しています。
この状況下で貯金・・本当に大丈夫ですか?